Zip ×biogon 004
case study対談
Zip infrastructure代表 須知高匡さん、biogonpictures代表 寺嶋章之
第二回「移動の未来、パラダイムシフトについて」
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須知「MaaSみたいなことが言われて、電車や飛行機、シェアサイクルのスマホ決済や予約がバラバラだったものを
一緒にしようという動きがあるんですけど…
僕はその先の未来があると思っていて、
極端な話をいうとアプリ開くのも面倒だと思うんですよ。
例えば、家の前に12秒に一回来る乗り物があれば、
アプリなんか開かずにとりあえずそれに乗っちゃえばいいみたいな。
しかもアプリに指示されるのが今はいいけど、そのうちイラついてくると思う。
どう思いますか?」
寺嶋「確かにアプリは便利だけどそもそもなぜ使わなければいけないの?と思うのはあるかもね。
以前はこの時間に電車がくるからと、それに合わせて生活していたけど
それも面倒と思うようになったしね。」
須知「そうそう。
クルマを買うとそこが楽になる。いつでも出かけることができるから
電車があと5分でくるからと走ったりしなくていい。
けれどそういったことはMaaSでは完全になくなったりしない。
それには乗り物の運行頻度をどれだけ上げられるかが鍵だと僕は思うんですよ。
寺嶋「なるほど」
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須知「あと、都市部についてなんですけど、
道路に土地をあんなに使ってるのって、もったいないと思うんですよ。」
寺嶋「どういうこと?」
須知「この辺り(虎ノ門)も広い道路に高いビルというのが基本的な構造だけど
交通が増えたら道路を増やすとなると、
そのうち道路9割で実際の街1割みたいなことになるんじゃないかと思ってて」
寺嶋「確かに!道路の面積と街の比は調べてみたいね」
須知「20%くらいいってると思うんですよ。
丸の内や西新宿の高層ビル街とかは20%いってるんですよ。
それってもったい無くないですか?」
寺嶋「確かにそう考えると道路ってそんなにいるかな?と思いますね」
須知「そうなんですよ。
それはもちろん災害的なことで道路が壊れたりはあるけど
都市部で道路が占有してる面積は、もったいないという視点はあると思います。
だからZipparは道路の上を使うことで
道路の車線を減らすことができるような未来がある。
そこで別のことに土地を活用できるようになると。
これから2〜30年くらいの課題だと思います。」
寺嶋「それは面白い考え方だね」
須知「それと似たようなことでは高層ビルの例があります。
ビルの下のほうはエレベータばかりなんですよ。
上になるほどエレベータは減っている。
例えば5〜60階建ての高層ビルだと
1階のエレベータの面積に占める割合は60%もあるんですよ!」
寺嶋「え!そんなに!」
須知「半分以上エレベータで占められているんですよ
例えばそれを10階でZipparでつなぎます、ということができたらいいなと。
いま高層ビルから高層ビルに移動する時って
エレベータのって地下まで降りて、地下鉄乗って、またエレベータ乗ってみたいな感じなんですけど
ビルtoビルでパンと行けるようになる」
寺嶋「確かに、高層ビルから移動するときに思うことあるね!
すぐそこに見えるビル空中をダイレクトに行けたらなあ、と高層階の横移動はできないからね」
須知「Zipparでこの課題は解決できるんじゃないかなと。
僕は東京中の高層ビルの10階や20階をネットワーク状に
Zipparで全部繋いだら、下に降りずに移動できると思ってて
そうすれば今のエレベータの占める割合もへらすことができる」
寺嶋「なるほど!これも考え方を変える、ということだね。」
須知「特に交通分野に関しては
考え方を変えるというのは大事で、
東海道新幹線て今普通に使ってるじゃないですか。
けれど作る前は、”こんなの作るのは馬鹿げてる、誰が利用するんだ!
これまで六時間かかってたのが四時間になることで誰が乗るんだ”みたいに言われてた。
戦艦大和と並ぶ日本の無駄とまで言われて、当時はその価値がわからなかったんです。
できたら世の中が変わって、”日帰り出張もできる、昼ご飯を食べてる間に名古屋にいける”
となってしまった。
だから新しいものはすぐにわかってもらえないことがあると思います。
僕がZipparは駅で待ち時間無くなります、と言っても
そこは求めていないと言われるんですが、
実際にそうなったら戻れなくなると思います」
寺嶋「うん、そうだね。
あと、”新幹線は便利だ。だからもっともっと作りましょう”
というのも、どうかな?となってきた。
もう一点、Zipがやろうとしているのは、その巨大なインフラやめてみませんか?みたいなことだよね。」
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寺嶋「私たちビヨゴンピクチャーズはなんで映像の仕事をしているのかというと
未来を作りたいから、未来を作りたい人のサポートをしたい。
未来を実現する時間を短くするためのビジュアル化。
ビジュアル化するとアイデアがまた浮かんだりするじゃないですか?」
須知「このZipの模型のように、実体化されると手にとってここをこうしようみたいなアイデアが生まれてくる
文章だけでも出来るんですけど、それよりビジュアライズされたほうがいいのは間違い無くて。
例えばこの前作ってもらったPV。
あれをみてみんな乗りたい!と言ってくれるんですよ。
そうすると、こうやって世界って変わっていくのかもしれない、と思ったりする。
文章よりは画像、画像よりは映像のほうが力を持つのは間違いない」
寺嶋「文章から想像力を掻き立てるのは大事なことだと思うし、必要なことだけど
共有するってなると、それぞれのイマジネーションを共有するのが大事になると思うんです。
もっとディティールがみたいとか。
高次元の議論をするときには映像がいいと思う。伝えるスピードも速くなるし」
須知「理想を言えばみんなが映像やCGを作れる社会になったらいいですね」
寺嶋「そうなんです。
僕らもそれがいいと思って、実験とかをいろいろやっていきたいと思ってるんです。」
須知「映像を見るということもイベントになりますね。
こういう未来があるよ、と見せることで転機になる人もいると思います。
だから社会的意義があると思っています」
寺嶋「あと面白いのが一番大事なんです。ワクワクできることが人のモチベーションを上げるし
動き出すことにつながるから。
興味関心、好奇心が生まれることを伝えたいし、やっていきたいんですよ。」
須知「それはZipは面白いということですか?」
寺嶋「むちゃくちゃ面白いですよ、Zipはほんとに面白い!そう思う人たくさんいると思います」
須知「そういう輪をもっと広げていければと思います!」
2020年8月12日