#22_微妙な用途の違い

2018.7.25

気づけば前回のポストから半年も経ってしまいました。
ご無沙汰しております、塚本です。
 
この間仕事休んでいたわけではありません。
レギュラー番組に加え新番組立ち上げや
ライブ収録など精力的に活動しつつ
私事では第二子が生まれたりとそれなりに忙しくしておりました。
今後はもう少しペースを上げてみようと思いますのでよろしくお願いします。
 
そんな忙しい中の密かなリフレッシュは帰省して実家の庭で焚き火すること。
もちろん直火ではないですが、焚き火台というかストーブの中で
小枝から徐々に火を育てて最後の熾火になるまで時間をかけて燃やしていくんです。
何も考えずにずっと火を眺めているだけで、1/fゆらぎ効果の助けもあって
落ち着くのでおすすめですよ。
 
最近はブッシュクラフトがブームなのでそれに乗っかりタキビストを目指して行きたいと思います。
この辺りの話はまた次回、ロケハンの心得なんかと絡めて書いてみたいと思います。
 
 

  
 
さてそんなわけでどんな撮影機材がトレンドなのかという情報に疎くなって来ておりまして
最近の使用するカメラはFS7ばっかり。
先日とあるライブ収録で15台くらいの中ほぼすべてのカメラでFS7のS-LOG収録したのですが
やっぱりいいカメラですね。
ハイとシャドウのトーンがライブのライティングと相性がいいように思います。
今後も使って行きたいと思います。
 
0718_00
 
α7S IIIも9月のフォトキナで発表されるのではと噂されてますが、
今回はカメラから離れて少しウッディなネタを書いてみようと思います。
 
 
 
スタジオとか舞台、ステージの裏によくあるこちら。
箱馬アップルボックス
どちらも木の箱で、人が乗ったり物を高く上げる時の台にしたりする縁の下の力持ち。
同じものとして捉えられがちですが、実は用途が違います。わかりますか?
0718_01
0718_02
撮影でお世話になっているイメージスタジオ109さんのアップルボックスと箱馬。かなりの数をお持ちです。
 
 
 
 

まずサイズですが、
箱馬はもともと舞台美術のもので、尺貫法をベースに作られてます。
1尺×1尺×6寸 (1尺=約30cm、1寸=約3cm)
なので30cm×30cm×18cmですね。
長辺1尺7寸というのもあるようで長方形のサイズです。
現状では一回り小さい45cm×30cm×15〜16.8cmが主流だと思います。
美術さんが主に使用します。
0718_06
文化村オーチャードホールに置いてあった箱馬。スタジオのものとは違い、舞台仕様のサイズになっています。 
 
 
 

アップルボックスはハリウッド発祥なのでインチで作られてます。
マシューズというメーカーが有名です。
フルサイズで20″×12″×8″ (1インチ=約2.54cm)
なので約 50cm×30cm×20cmです。
でこちらはフル・ハーフ・クオーター・パンケーキと4種類サイズがあります。
そして持ちやすいように穴が空いてます。
撮影部が主に使用します。
0718_03 
上から、パンケーキ・クオーター・ハーフ・フル
 
 
 
 
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いつも撮影でお世話になっているRECさんのアップルボックス。
黒に塗って会社ロゴをステンシルしてオリジナルで作ったそう。現場には必ず持ってきています。

 
 
  
 
どちらも木製で頑丈には作られてますが
箱馬の方はそもそもは舞台を作る時に平台の下に入れて嵩上げする台。
なので釘を打ち付けたり、ネジをもんだりテープ貼ったりしてもいいようなもの。
現場では照明用のカポックを押さえるために置いたりします。
0718_04
危なげな置き方をしておりますが、、、とりあえず制作部の作業台にしています。
 
 
 
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チェックモニター用の嵩上げ台。ガムテを貼っても気にしない。
 
 

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こちらは平台。平台の下に箱馬を組み合わせてステージにします。
 
 
 
 
 

一方アップルボックスは4サイズもあって穴も付いていて綺麗に仕上げられてます。
用途としては、人物を嵩上げしたり、カメラマンが乗ったり、
物撮りをしたりする時に微妙な高さ調整をする時の台。
欠けたりしては高さなどが狂うので丁寧に扱うものなのです。
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109スタジオでは専用の棚に収められています。気持ちがいい。
 

もちろん箱馬でも人物の高さ調整に使ったりもしますが、
基本1サイズなので微妙な調整はできません。
 
逆にアップルボックスを平台の下に入れて釘打ったり
ガムテをべったり貼ったりすることはありません。
 
 

いかがでしょうか。
言われれば用途が違うでしょう?
 
一般的に見ればどちらも「箱馬」なんですけど
実際にスタジオで実物をよく見ると違いが分かるかと思います。
そうすれば現場で「箱馬持ってきて」と雑に言われてもなんのために必要かを
注意しておけば間違わないでしょう。
 
 
ということで、自分でも撮影用にひとつ欲しくなり
木工が趣味の父の助けを借り、一回り小さいマイアップルボックスを作ってみました。
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ホームセンターで設計図通りにカット。
 
 

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持ち手用の穴を空けます。私が行ったホームセンターでは工具の無料貸出サービスがあり好きなように作れました。
 
 

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ボンド塗ってクランプで固定。乾燥したらドリルでネジ穴を空けてネジを打ち込む。
※ネジ穴を事前に空けないと板が割れてしまいます。
サンダーをかけて表面をつるつるにしました。

 
 

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そのままでも良かったのですが、補強と色出しのためにウレタンニスを塗って仕上げ。
 
 

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完成。塚本の焼印入りです。このタイプの普通のベニヤ合板だと割れやすいので、
シナベニヤを使用することをおすすめします。そうするとマシューズみたいになると思います。

 
 

このサイズは匠の箱馬を参考にさせて頂きました。
購入すると約¥9000ですが自作だと1/3くらいでできてしまいました。
意外にも我ながら良くできてしまったので現場に持ち出してボロボロになるのが
もったいなく部屋の飾りになってしまっています。

いずれ正式なインチサイズのアップルボックス4サイズ、作ってみたいと思います。
ホームセンターで材料カットしてくれますので興味がある方は是非作ってみてください。
ではまた。