#20_biogon 録音部

塚本 聡 2017.11.16

最近の映像制作におけるこだわりどころが「音」になってきました塚本です。
音と言ってもオーディオマニア的なものや音楽の音質というわけではなく、
「人の声を録る」という非常にピンポイントな音へのこだわりです。
 
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番組制作などで一緒に仕事をするディレクターとよく話題にするのは、
ディレクターが一人で演出もしつつカメラも回す、
いわゆるワンマンオペレーションの機会に直面する「音問題」について。
 
何か機材的なトラブルがあった場合、映像の方は例えばマルチカムで撮っていれば
別のカメラで対応できたり、インサート映像で対応することも出来るかもしれませんが、
音が録れていなかった、あるいは途切れたり、割れたりしたらどうにもならないから
映像以上に気を使わなくてはならないので大変ですよね、と共感したお話。
 
 
MVやCMなど、後から音を差し換えたりする場合などを除き
番組や取材など少しでも現場の音を使用する映像の場合、クオリティを決定的に左右するのは
音がきれいに録れているかどうかにかかってくると私は考えています。
  
 
きれいに録れて(撮れて)いるとはどういうことか?
ノイズができるだけ少なく、
音であれば、発生源の芯を捉えていてレベルが大きすぎず小さすぎず
映像であれば、演出意図を踏まえた上で、絞りが適正でホワイトバランスが合っている、
ナチュラルな状態。
また、ポストプロダクションに於いて、後からいじれる幅やデータ量をもった
質の高い状態でありながら、放送レベルに持っていくために
あれこれ補正をしたりエフェクトをかけたり
手間をかけなくても、そのままでも対応できる素材。
それがいい素材だと思っています。

 
 
特に私はこの数年アニメ音楽情報番組を制作していることもあり
声優さんやアーティストのコメントを撮ることがとても多いので、
「声」や「音」を生業にしている方たちの発した音をできるだけいい状態で
視聴者へ届けたいという思いが強くなってきました。
そこから、音は二の次ではなくカメラと同じく重要という考えに至って日々撮影しております。 
 
 
ということで、私が一人でコメント撮影に行く場合の録音機材がこちら。

  
【マイク編】
 
Sony UWP D-11。免許の要らないB帯を使用した業務用ワイヤレス送受信機。
業務用としては安価ですが、オートで空きチャンネルを探してくれたりと使いやすく
電波は安定してノイズが少ないと思います。
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コメント録りでは何と言ってもピンマイク。ラベリアマイクとも言います。
コンデンサーマイクとしては非常に小さく、音質はガンマイクに負けますが
録音の基本である音の発生源にできるだけ近い位置で録るという意味ではピンマイクの方がきれいに録れます。

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右がUWP-D11に付属のピンマイク、左がECM-77BMPという、後に出てくる有線ピンマイクのマイクと
同じモノでコネクタ部分がUWP用にねじ込み式のミニピン仕様になっているもの。
付属のものより小さくて胸元もすっきりしますし、感度が高く高音質なので左を使用しています。
Made in Japanなのですが、どういうわけか日本では購入できず、B&Hから逆輸入しました。

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ピンマイクの風防とクリップのセット。縦ピンか横ピンか、はたまた安全ピンタイプか。衣裳によって対応する準備も。
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Sony ECM-77B。こちらが有線ピンマイク。
被写体が着座で移動がない場合はこちらを使用しています。
ワイヤレスより音質は良い上、混線の心配もありません。
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sennheiser MKH416
言わずと知れたガンマイクの定番中の定番、通称「416(ヨンイチロク)」。
テレビ放送や映画などはだいたいこれです。指向性がとても狭く人の声を録るのに優れています。
このマイクにグレーのカゴやウィンドジャマーと言われる毛皮のようなモノを付けて風切音を防止します。
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ピンマイクは衣擦れの音を拾いやすかったり、ワイヤレスはノイズが乗ったりすることもあるので
ガンマイクも必ず使用しています。
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【レコーダー編】

ZOOM H6
このHシリーズはキャノン入力もありインターフェイスが直感的で使いやすい。
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元々下位機種のH5を使用していましたが、
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キャノン入力の数が多く必要な場合もあり、こちらに乗り換えました。
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ZOOMのH5や6の良さは何と言ってもマイク部分が交換できるところ。
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【その他】
 
キャノンケーブル(XLR、マイクケーブルとも言う)
ノイトリックのプラグとCANAREのケーブルを使用した定番の安心ケーブル。
カメラ上にガンマイクを装着した時にケーブルが邪魔にならないのはとても重要。
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モニター用ヘッドフォン。
sennheiser HD25
軽くてコンパクトなので現場用にはこちらを使用するようになりました。 
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同じくモニター用ヘッドフォン。
Sony MDR 7506
CD900STと並んでメジャーな通称「青帯」。長いカールケーブルが邪魔だったのでリケーブルしています。主に編集時に使用しています。
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以上がレンタル品含め現場に持っていく機材です。
こんな感じでやっています。
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毎週のMA時に、録った素材についてMAミキサーさんから
意見を聞いて次の収録で試してみるというのが密かな楽しみになっています。

 
それはそれでとても楽しいのですが、当然責任も伴います。
本来であれば餅は餅屋、録音部に来てもらうのがあるべき姿。
もちろん人数が多かったり移動があったりだと一人では対応できないので
あくまでも「一人で可能なレベルで最大限クオリティを上げる」をモットーに
これからも経験値も同時に上げていきたいと思います。
  
 
そして、そんな視点でテレビやネット番組を見ていると 
きれいに録れているものは、機材選び・マイキング・ミキシング・・・
全て含めここに至っているのだなと、音声さんやMAミキサーさんをリスペクトするばかりです。