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ロミオとジュリエット

山科有於良 2018.12.10

My Favorite Things

多分誰かの講演会だったんだと思うんですけど

むかし「悲劇と喜劇の定義」をきいたことがあります。

曰く、「死を不可逆なものとして捉えるのが悲劇、そうではないのが喜劇」でした。

 

その時はなるほどなと思ったのですが、

よく考えると演劇の場合、どんな舞台でも終演後には死んだ役も生き残った役も衣装のままで

カーテンコールに登場して笑ったり手を振ったりするので

観客の体感的には死は挽回可能なものになります。

そんなわけで演劇では悲劇は成立しなくてすべてが喜劇に映るのではないか、

というようなことを思い出した舞台でした。

 

M&Oplaysプロデュース 宮藤官九郎版「ロミオとジュリエット」

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シェイクスピア4代悲劇の『ロミオとジュリエット』を宮藤官九郎さんが翻案・演出したものなのですが

恋っていいな〜〜〜〜〜以外はなんの感慨も残らないすっきりさっぱりした喜劇に変貌していました。

主演の三宅弘城さんはじめ、役者の皆さんもシェイクスピアの劇的なセリフを

見事に噛み砕いて現代に通ずるものに昇華した仕上がりだったのですが

「役者がよかったな〜」というような感想をもつことも許さないほどの

全編通してのくだらなさ。上手さを感じさせないほんとの巧さでした。

誰かを泣かせるのって割と簡単ですけど、笑わせるのは難しいです。

難しいことをさらっとやっていて、まるでなにかのプログラムでも働いているかのようでした。